草なぎ邸の家宅捜索についての各説まとめ

草薙邸の家宅捜索について、捜査の必要は無いはずだという記事を書きました。
http://d.hatena.ne.jp/sube-sube/20090423/p1

その後、いろんな見解が出ているので紹介。

  • 捜索に肯定的な見解*1

この種の犯罪は、一種の性癖に基づくことが多く、また、常習的に行われることも少なくないもので、自宅や勤務先等の捜索により、そういった事情に関係する証拠が押収できれば、ということで、赤坂警察署としても、慎重を期して行ったのではないかと思います。

弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20090424#1240507607

  • 捜索に否定的な見解

私には、本件が公然わいせつ事案というよりは、泥酔者のお騒がせ事案のように見えて仕方がありません。


モトケンブログ 草序イ剛逮捕 CM外しは逮捕されたからか?
http://motoken.net/2009/04/23-093811.html

ここから先はぼくの推測ですが、「騒音苦情」を受けて駆けつけた警察官は、
全裸で叫ぶ草序イ君の異常な行動を見て、「こいつ芸能人だし、クスリやってんじゃないか」と思いこんだ、見込み捜査だったんじゃないかと。
だから尿検査までされ、陰性だったにもかかわらず、引っ込みがつかなくなって家宅捜索までやってしまった。
黒木さんは、「公然わいせつでのガサ入れなんて聞いたことない」と言います。どう考えてもやりすぎです。


草序イ剛「全裸で逮捕」報道への違和感 山口一臣の「ダメだめ編集長日記」
http://www.the-journal.jp/contents/yamaguchi/2009/04/post_63.html

検尿で薬物反応は分析できるわけで、家宅捜索は明らかにやり過ぎです。職権乱用、権力の暴走です。


この逮捕に異議あり
http://eiji.txt-nifty.com/diary/2009/04/post-04ac.html

草なぎ容疑者の)自宅がすぐに捜索される。本来そこまでやる話なのか」と述べ、警察の捜査手法に疑問を呈した。


民主党鳩山氏
http://www.asahi.com/politics/update/0424/TKY200904240278.html

酔っ払いをどうにかしたいだけなら、「保護」で十分のはず。
つまり、最初からクスリを疑ってたんだろう。


http://anond.hatelabo.jp/20090424084915

  • 実はクロだけど諸事情で隠蔽という見解

ガサを入れたと言うことは、シロじゃなかったんだろ本当は。現場には箝口令が敷かれてるし、いまはキツイだろうが。現場も無念だろうよ。


二階堂.com 草序イ問題は、ジャニーズと警視庁がズブズブだから幕引きした
http://www.nikaidou.com/2009/04/post_2645.php

私としては、

いずれも成立しうるので、正解はひとつで他は不当だ、とは思いません。
この中で一番強力な処分は逮捕ですが、それとて時間制限は48時間で、警察の判断で随時釈放できます。
また、病的酩酊なら、どの手続きでも医師に診せることは可能です。

問題は、捜索に至ったという点にあると思います。
有名人の飛びっきりの奇行ですから、動機・背景を知りたいという国民の関心は高いでしょう。薬物犯罪も充分に想像できることです。

しかし、捜査は犯罪の立証のために必要な限度でしか行われてはなりません。
常習性、性癖といった事実は量刑に影響しますが、必ずしも明らかにする必要があるわけでは無いと考えます。
また、上のように、犯罪ではなく保護の対象にもなりうる微妙なラインで、違法性は甚だ軽微でしょう。錯乱状態で、責任能力すら疑われます。
また、薬物については、逮捕直後の尿検査が陰性である以上ありえない判断です。尿検査で出ないのに嫌疑が晴れないなら、一体被疑者はどうすればいいのだということになります。
以上から、捜索の必要性は皆無と言っていいと考えられます。

考えられる結論は3通りです。

  1. 落合弁護士の言うとおり、常習性や性癖の立証のために令状が発布された。建前ではなく本当に必要だった。
  2. 二階堂.comの言うとおり、本当は陽性で、まずい背景があるけど、もろもろの事情からフタをすることになった。
  3. 山口一臣氏の言うとおり、捜索には別の意図があった。

1ですと、捜査機関と裁判所の判断は疑問です。繰り返すように、立証する必要性が認めがたいからです。
2ですと、もう捜査機関はどうしようもなく腐ってるということになります。
3、これを私は採りたいのですが、薬物を掘り当てて大金星を得たいという捜査機関の意図があったのだと思います。



さて、真実はどこにあるのでしょうか。
ともあれ、草なぎ氏。ドンマイです。

*1:肯定的、といったら落合先生の本意でないかもしれませんが、捜索を適法たらしめる見地からの記事がここしかなかったのでこのように記述しました。