あるカニの死骸について


このカニの死骸は私が知る限り3カ月以上も同じ場所に張り付いている。





色鮮やかで遠目には生きているようだが、目は光を失っている。






かれは潮風や酷暑で風化するわけでもなく、鳥にさらわれることもなく、
台風の大波に晒されてもなお、同じ場所にとどまっている。








おそらく、これが、彼の最後に見た光景だ。







彼の死に際の気持ちを、少しだけ共有できた気がしませんか。





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